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神の子

2018年12月02日
川崎 献一師
ルカによる福音書1:26~38

教会暦では、本日からアドベントです。それに対し、この世ではクリスマスシーズンと称します。サンタクロースの出番でしょうか?ある教会の中学生が、サンタとサタンは言葉が似ていると言いました。そして、サンタがクリスマスの主役になって、本当のクリスマスの意味を忘れさせようとしており、サタンの働きではないかと言うのです。勿論、サンタクロースの源はセント・ニコラスというヨーロッパのクリスチャンの尊い隣人愛の働きから始まっています。源は、神の御心に適っていても、後の時代にサタンの誘惑から堕落して偽のクリスマスが幅をきかせるようになりました。偽のクリスマスとは、聖書の内容を無視してイエス様の御降誕に無関心な姿勢です。クリスマスの名を利用した人間中心のお祝い事にしてしまいました。

教会のクリスマスは、聖書に基づきます。本日のテキストは旧約聖書の実現を意味します。只、ナザレという小さい町は、旧約聖書には出てきません。マリアは、そのナザレに住んでいました。マリアはダビデの子孫・由緒ある家のヨセフと婚約していました。日本では、結納をする人が多く、記念に物品を交わすことをします。男女が結婚して夫婦となることは、人生の一大事です。それで、いきなり結婚ではなく、結婚前の段階にも準備としての約束が必要なのでしょう。ヨセフとマリアも、ユダヤ教徒ですから神の前で婚約式を行っていた筈です。そのマリアにとっては突然、天使の登場です。旧約聖書の時代から天使はたびたび人前に出ますが、今回は只ならぬ知らせを持ってきた天使の名前が、わざわざ書かれています。ガブリエルです。神は、この知らせを預言者などの人間を用いられませんでした。よっぽどのことだからです。天使の言葉「おめでとう」は、ヨセフとマリアへの婚約を祝っているわけではありません。それは婚約した直後に言われることです。「何が、おめでとうなの?」というマリアに天使は大胆に告げます。マリアは、まず天使の登場に驚いていたのでしょうか?先程、サタンの名を出しましたが、サタンも昔は天使でした。その天使が神のようになりたいと思って、サタンに堕落したと言われています。サタンは、蛇になって人類最初の女エバをエデンの園で誘惑しました。サタンの別名は悪魔ですが、突然登場する不思議な存在が、天使か悪魔か分かりにくいものです。マリアが恐れたのも無理はありません。「おめでとう、恵まれた方」と言われてたマリアは、まだ16才位の乙女です。ユダヤの将来、いや世界的な規模の話をされても実感など持てないでしょう。それ以上に結婚前に妊娠だなんてという驚きです。マリアは、聖霊の力によって人類史上、唯一の出来事として救い主イエスを身籠り、出産する恵みの特権がマリアに与えられたのです。これは勿論マリアの努力ではありません。明らかに神の一方的な恵みです。マリア自身が妊娠を体験することで一番、分かっていくことです。

天使は、身近な例として親類のエリザベトのことにも触れています。ザカリヤとエリザベトの老夫婦にも子どもが与えられ、生まれる子の将来は洗礼者ヨハネです。イエス様に、洗礼を授ける神の器でもあります。全知全能の神という天使の言葉にマリアは、自己主張はしません。天使の言葉の結論を言い換えれば「神に委ねなさい。心配しなくていい。大丈夫だから」です。 マリアは考えても分からないこと、夫になるヨセフにも説明できない話をも受け入れ謙虚に信仰告白をしています。神は、マリアの思いを超えてヨセフにも天使を遣わされたことが別の聖書箇所に記されています

私達クリスチャンも神の子と呼ばれます。イエス様を信じて、聖霊を受けていれば直接的な神の子ではなくても、神の養子、養女のような立場で神の子と認められているのです。これは最高の恵みであり、真の祝福と断言できます。

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