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さすらい

2016年05月08日
川崎 献一
創世記4:1~16

辞書で「流離(さすら)う」と引くと「あてもなく、あちこちをさまよい歩く」とあります。実は、私達は神と出会うまでは、世の旅路をさすらっているのです。

日本で「さすらい」という曲が二度、ヒットしたことがあります。1981年、寺尾 聡が歌ったバージョンでは「出航(さすらい)」と表記されていました。更に古く、昭和30年代に紅白歌合戦にまで出た克美 茂という歌手も「さすらい」を歌ったようです。この克美さんは、本日のカインと同じ罪を犯しました。それは、殺人です。

芸能界で低迷していた克美さんにとって、当時付き合っていた愛人の女が、人気回復のために邪魔になり、彼女を殺めてしまったのです。自己中心的な理由でしたが、服役した彼は、模範囚ということで、8年の刑期で出所しました。その後、カラオケ教室等を開き、地元の一部の人達からは支援されていましたが、歌手復帰の野望?は砕かれました。家族には勘当され、世間の大多数の冷たい視線からは解放されませんでした。殺人という罪は、あまりにも重く、そのストレスから覚醒剤にまで手を出したのです。

アダムとエバから生まれた子供2人は、男子でした。この兄弟間で悲惨な事件が起きたのです。2人とも成長し、各々仕事を持ちました。両親からの信仰継承で、共に神に献(ささ)げ物をしましたが、神は弟アベルのみを顧みました。神のエコヒイキでしょうか?否、善なる神に非はありません。むしろ、カインの献(ささ)げ物をする心の姿勢に問題があったのです。神の問いかけは、罪を悔い改めるチャンスでしたが、激怒しているカインは、弟への悪感情を抑えられませんでした。聖書には、殺人の描写は僅かで、神とカインとの会話に重点がおかれています。この時も悔い改める機会はあったのですが、カインは嘘をつきました。

神の裁きの言葉にカインは嘆いていますが、神は人が人を裁かないように、殺人者カインを守られるという約束をされました。人間的には、些細だったと思われる両親の罪が、このような展開になったのです。

神から離れた人生に、真の幸せはありません。世の一時的な目標に価値を持つ人々に、不変なる主イエスの十字架の愛を知ってほしいために教会は伝道していきます。

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